【体験談】社内業務自動化で開発する前に、絶対考えるべき3つのこと。
「社内でこんな開発をしてみたい!技術はあるからやるぞ!」
「自分の業務が繰り返しの作業で自動化できそう!」
このように考えている方!ちょっと待ってください。まずはこの記事で書かれている私の体験談を読んでからでも遅くはありません。まずは、読んでみてください。
社内で自動化するために、開発することは、成功すれば、とても効率が上がることです。ですが、業務自動化は、あなたに技術がある!からで始めるわけにはいきません。
今回は、私がただ技術があるからと、邁進し開発してしまったが結局上司にたしなめられた失敗談をもとに、業務自動化を進める前に考えるべき3つのことをまとめました。
この記事で書いたことを実践すれば、あなたが行う自動化を誰かに説明できるようになり、より説得力のあるものにすることができ、大手を振って開発に取り組むことができるでしょう。
目次(クリックで読みたい部分にジャンプできます)
①あなたが自動化したい業務は、まず最初に自動化するべきものか?
自動化をしたい人にとって、既に自動化したい対象の業務が頭にある人も多いのではないかと思います。
ですが、まずはあなたが普段行っている業務全てを書き出し、時間がかかっているのは、本当にその業務なのかを確認する必要があります。
「そんなの、いつも自分がやっている業務だから、何が一番時間がかかっているかなんてわかるよ!」
こう思いがちで、自動化する業務を決めてしまいがちですが、これでは一番効果のある自動化をすることができません。
自分自身、それが一番時間かかっていると思っている(思い込んでいる)作業でも、実際に書き出してみると、もっと時間がかかっている作業もあるはずです。
また、一つの作業が他の作業と共通している場合もあり、その作業を自動化するだけで他の作業も効率化できるようになることもあります。
例えば、日々の退職処理を自動化したいと考えているとします。退職処理の中には、社内で使っている打刻ツールや各種アカウントの削除などの作業があります。それらを自動化できたら便利だなとあなたは考えているからです。
しかし、実際に作業を書き出してみると、もっと別な作業の方が時間がかかっている可能性があります。問い合わせの対応だったりメールの返信だったりです。
また、退職処理の中で一番時間がかかっているのは、完了報告や退職者の転記作業だったりします。この転記作業に一番時間がかかっているとすると、同じように時間がかかっているのは退職処理だけじゃないはずです。他の入社者処理なども同じように転記作業に時間がかかっている可能性があります。
このように、実はあなたが自動化したい!と考えている作業は、確かに自動化したら効果はあるのかもしれませんが、1番効果があるかとは限らないのです。
そのため、まずはあなたが普段行っている作業全てをリスト化し、どの作業に最も時間がかかっているのかを洗い出すことをするようにしましょう。
②その開発手法は運用保守工数が少ないか?
①を経て、自動化する作業が決まったとします。そしたら、どんな方法で自動化するのかを考えることになるでしょう。
そこで、考えなければいけないのが、開発後の運用保守です。
求めている自動化が可能な開発手法がある中で、今後の仕様変更の頻度やそれに対する運用保守の工数も必ず加味して検討する必要があります。
なぜなら、あなたがずっと会社にいて開発したものをずっと見ていくわけではないが、会社としてはあなたが開発したものをずっと使っていく可能性があるからです。
例えば、開発の手法の一つとして、web上のDOM操作を自動化する場合があったとします。
DOM操作とは?
web上でクリックしたり、値を入力したり、エンターキーを押したりする作業のこと。
その場合、idを指定するのか、class, nameを指定するのかで大きく保守開発工数が変わってきます。
classやnameを指定する場合だと、サイトのデザインが変わっただけで、変更される可能性があります。その場合、保守開発費用が高くなりがちです。idを指定するのであれば、サイト上の一意の値なので、変更される可能性は低く保守開発費用が低くなる傾向があります。
このように、開発手法によって、保守開発費用が大きく変わってくるため、自動化する際に選んだ開発手法が今後どの程度変更が出る可能性があるのかをよく検討しておく必要があります。
③【一番重要】費用対効果がでるのか?
ここまで、①で一番時間がかかっている作業を特定できました。そして②で、運用保守工数が少ない開発手法を決めることができました。
最後一番重要なのが、費用対効果がでるのか、ということです。
自動化によって削減できる時間と、開発期間&運用保守工数を比べてどちらが良いかということを比べて検討する必要があります。
なぜこれを検討する必要があるかというと、効果が出るということを精査するということも重要なのですが、それ以上に第3者に説明できるというのが大きいです。
自分ひとりの作業であれば、最悪効果がでていなくても自分自身の責任になるわけですが、会社の中でやる自動化であれば、会社全体の責任になります。そのため、自動化をやる前に必ず上の人の承認が必要であり、その承認のためには費用対効果がでるということを証明する必要があります。
費用対効果を調べるためには例えば以下のようにします。
費用対効果を計算する式
削減できる時間×人件費+削減した時間で生み出す仕事=(開発工数+保守工数)×人件費
左側の費用が右側よりも、多ければ多いほどその効果は大きいものになります。
これが説明できれば、すぐにでもやった方がいいと第3者にも納得してもらえるはずです。
ぜひ、開発をする前に費用対効果について突き詰めて考えていくことをおススメします。
自動化は素晴らしい。自信をもってやってほしい。
ここまで、自動化をするために検討した方がいいことを順に並べていきました。正直めんどくさいと思うところも多いかと思います。
ただ、自動化のいいところは、あなたのやっていることが直接目の前の誰かの役に立つということです。会社の中で仕事をしていると、営業の方以外だと直接顧客と触れ合うことが少ないところもあるかと思います。自動化の必要があるような作業が多い部署であれば、なおさら社内向けの仕事が多いことになるでしょう。すると、誰かの役に立っているということが感じづらくなることもあるかと思います。
しかし、自動化は直接あなたの周囲の人に効果をもたらすことができるのです。自動化ができれば、あなたの同僚や上司などは必ずあなたに感謝してくれるようになるはずです。
自動化がもたらしてくれるものは大きいです。浮いた時間をより生産的なことに使うことができます。
もし、あなたがこの記事をここまで読んでくれているのであれば、自動化にとても興味があるはずです。その気持ちをぜひ持ち続けてほしいと思います。そして自信をもって進めていって欲しいと思います。それは、会社だけでなく、あなたにとってもかけがえのない経験になるはずです。
まとめ
今回は、自動化をする上で検討した方がいい3つのことを紹介しました。自動化についてより知りたい方は以下の記事も参考にしてみてください。