書評「ある日突然40億円の借金を背負うそれでも人生はなんとかなる」ーどんな絶望的な状況でも諦めるのはまだ早い。

今回は「ある日突然40億円の借金を背負うそれでも人生はなんとかなる」の書評です。

<10秒で理解>この本の内容は?

順風満帆サラリーマンが突然40億借金を持つ家業を継ぐことになった16年間の実録

  • 一生かけても返せないはずだった負債を16年で返済し、人生を取り戻した。
  • 泥まみれの16年間で、男が首を吊らず、「会社を継いでよかった」と言えるようになるまでの顛末
  • 小説よりも過酷な現実から生まれた、ビジネス書を凌ぐ経営スペクタクル。

この本なら、こんな悩みへの対処法について、考えることができるかもしれません。

現実が辛い。ここまで辛いのは私だけなんじゃないのか

頑張りたいことがある。モチベーションを上げたい。

【こんな人におススメ】
自己啓発や成功ストーリーに興味がある人、または現実の困難や挫折に直面している人におすすめです。ビジネスや人生において逆境を克服し、ポジティブな方向に進む方法を知りたい人にも有益です。

<1分で理解>この本を読むとどんなことがわかる?

『ある日突然40億円の借金を背負うーそれでも人生はなんとかなる』は、著者湯澤剛が自身の経験を通じて語る、絶望的な状況から這い上がる過程を描いた実話に基づく書籍です。

本書は、著者が起業し成功を収めるものの、失敗からくる多額の借金を抱えることになる実話を通じて、逆境を乗り越える力や前向きな考え方について語ります。著者は巨額の借金を抱えた状況でも、めげずに人生を切り開こうと努力し、結果的にその苦境から学びを得て成功を手に入れるまでの軌跡を赤裸々に描き出しています。

本書では、困難な状況に直面した際にどのように前向きなマインドを保ち、行動に移していったのか、また逆境をどのように乗り越えていったのかが詳細に綴られています。湯澤剛氏の経験を通じて、失敗や困難に立ち向かうことの大切さや、ポジティブな思考の重要性について示唆されています。

この本は、困難な状況や挫折を経験した人、また成功の道を探求する人にとって勇気づけられる一冊です。逆境に立ち向かう心の在り方や前向きな行動の重要性を学び、人生をポジティブに切り拓くヒントを提供しています。

この本を読んで大事だと思った3つの要点

書籍を読んで大事だと思ったことを3つにまとめます。

  1. 日本にも地獄は存在するということ。
  2. 5年のだけの勝負
  3. 時間を巻き戻した時、もう一度会社を継ごうと思うか

日本にも地獄は存在するということ。

絶望の男のイラスト。 - どん底点のイラスト素材/クリップアート素材/マンガ素材/アイコン素材

まず、著者の湯澤さんがどのくらいの状況に直面していたのかを紹介していく。

グループ33店舗にたった2人の店長

店長が2人しかいない。店舗は33あるのに、店長は2人。

明らかにおかしい。しかも、性格も大人しく、強いリーダーシップを発揮するタイプにも見えない2人が押し付けられた便利屋のような格好で全店舗の店長を兼任していました。

これには原因があり、父の亡くなる数年前に、営業部長と管理部長が揃って退職し、その店が大成功を収め、5店舗まで拡大していく中で湯佐和から子飼いだった店長と料理長を引き抜いたことであった。

「できない約束」を重ねるストレス

湯佐和には、金融機関から借金以外にも滞納している支払いが全部で1億円以上あった。

国税、地方税、仕入れ代金、水道光熱費、家賃、、、、

赤い大きな文字で「督促状」と書かれた通知が段ボール箱いっぱいに入っていた。

「これしか払えない」と正直にいうと相手は納得してくれない。だからできない約束をして、また謝ることになる。

約束している側から、数週間後また謝ることが確定するのだ。

そのため、湯澤さんは、辛くても嫌でも、ここを乗り切るには謝るしかない。謝るのが仕事だと割り切っていました。

崩壊していた店舗

当時社長の顔も知らないような社員がたくさんいるような状況だから、元からモラルの低かった店舗はさらに悪化していった。

板前の勤務中の飲酒は常態化し、売上金の持ち逃げや板前同士の喧嘩、お客様への暴言など、信じられないようなことがこれでもかというほど続々と発生した。

ある店舗を営業時間中に訪問した時のことである。

1、2階の2フロアで営業している店だったが、中に入ると、ホールにはアルバイトの女性が一人つまらなそうな顔で壁に寄りかかっている。

お客様は1組。しかし調理場には誰もいない。

「なんで?」と思いつつ、ホールスタッフに「座っていいの?」と尋ねると、「その辺にお座りください」という。注文を入れたら、2階から板前が面倒くさそうに降りてきて、髪をかき上げながら調理場へ入っていった。

私に料理を出してしばらくすると、板前がまたいなくなった。
そして、注文が入ると2階から現れる。

一体何をしているかと思い、席を立って2階に上がっていくと、板前が4人で麻雀をしていた。

4人のうち3人は湯澤さんの顔を知らなかったが、1人が気づいて慌てて勤務に戻っていった。

「いつものこと」であるのは間違いなかった。

店舗は崩壊していた。モラルなどというものは存在しなかった。

疑心暗鬼、被害者意識の塊となる

飲食店の世界では、退職することを「上がる」という。

「今日で上がらせてもらいます」

私を謝らせるために、社員たちは簡単にこの台詞を口にした。
そして、社員たちの作戦通り、この言葉を聞くたびに湯澤さんはゾッとした。と言います。

「総上がり」という恐ろしい言葉もあります。

経営者や会社が気に入らないと、店舗の是認が示し合わせて突然休んでしまうのです。

一種のストライキで、経営者や管理者を慌てさせて溜飲を下げるという陰湿な抵抗です。
これも何度かやられたそうです。

このようなことを繰り返され、「どうしてこういうことをするのだろう」「こんな屈辱的なことが一生続くのか」

毎日毎日、次々に嫌なことが襲ってくるものだから、湯澤さんはいつしか、すべての人に対してネガティブな感情を持つようになっていきました。

あべべ

このような地獄のような苦しい状況を湯澤さんは他にもたくさん味わっています。全ては書ききれないので、詳細は、書籍から確認してみてください。

5年のだけの勝負

ビジネスマンの手は、アイコンの目覚まし時計の形をした木製の立方体を保持し、組み立てます。作業時間を節約してコストを削減するというコンセプト。 - 時間 ストックフォトと画像

二つの事件から、覚悟を決める。

地下鉄飛び込み未遂事件

湯澤さんは苦しい状況の中、ふと地下鉄の線路に飛び込みそうになった時さえありました。

自分自身では、死ぬのなんて割に合わないと考えていて、とても辛かったが死にたいとは思ったことは決してなかったそうです。

しかし、心の中ではっきりと生きる意思を持っていても、身体はこの時間違いなく線路に向かっていました。間違いなく生きるのを止めるための行動を起こしていました。

家庭の崩壊を予感する

本文から抜粋

飛び込み未遂事件と別のある日、疲れて帰宅すると、玄関まで赤ん坊の大きな鳴き声が聞こえてきた。

泣き叫ぶ子供のそばに、妻の姿がない。妻を探すと、電話の子機を持って2階に上がっていくのが見えた。

「申し訳ありません。。。はい、今月末までには大丈夫と思います。はい。。必ず。必ずお支払いいたします。約束いたします。申し訳ありません。。。。!」

会社では足りないと感じた人が自宅にまで電話をかけてきていた。

ただ、私の様子を見るととてもではないがそんな報告はできなかったという。

疲れ果てた妻を見て、このままでは家族も壊れてしまうと思った。

この2つの事件があった時に、やっと一歩を踏み出そうと思ったそうです。

最悪の事態を紙に書き出す

公証人や弁護士は、法的契約を締結 - 紙 書く ストックフォトと画像

腹を括ったが、40億円という借金を思うと途方に暮れてしまい、なかなか行動に移せない。

やはり真正面から向き合うのは怖いからだ。

そこで、湯澤さんは最悪の状況を明確にイメージすることから始めました。

つまり「破産計画」です。

具体的には、

・破産するとなると、破産処理にかかる費用をどうするか?

・取引業者の連鎖倒産を防ぐにはどうするか?

・自己破産の後は、どこに住んでどうやって収入を得るか?

・どの時点で、経営の続行を諦めて破産処理に移行するか

こうして最悪の状況を想定してみると、

「ただ破産するだけ」ということだけでした。

辛い思いはするだろうし、家族や関係者に大変な迷惑をかけることになるが、命は取られないだろうし、夜逃げすることもないだろう。ということがわかったのでした。

案外このように、具体的な計画を立ててみると、思いの外気が楽になったのです。

「こんなものか」とすら思ったそうです。

今辛い現状にあたっている人、どうしたらいいかわからなく悩んでいる人は、自分が考えうる最悪の状態を考えることがとても大切だということがわかります。

時間を巻き戻した時、もう一度会社を継ごうと思うか

居酒屋でのキッチンで料理人 - 居酒屋 ストックフォトと画像

腹を括ると決めた後、会社を立て直すために、湯澤さんは多くの施作を行っていきました。

中でも以下のものが大きな影響を与えたと語っています。

・客層を絞る。

→たくさんの顧客層を取り入れると平均的なものしか提供できない。1つの客層に絞ることで、より刺さるものを作ろうとしました。

・「縮小均衡策」で利益を確保する

→多少儲かっている店でも、優秀な人を集め1つの店舗で運営する。
創業者には難しい、2代目だからこそできたことだと本人も語っています。

その他多くの施作を行ってきたことで、利益を上げることができ、ついに借金の完済をすることができたそうです。

今では、お客様からダイレクトに必要とされ、自分の存在が社会に少しでも影響を与えているという実感が持てる。私個人が社会に貢献しているという実感を持つことができる飲食店経営をとても好きでいるそうです。

まとめ

今回は、「ある日突然40億円の借金を背負うそれでも人生はなんとかなる」の書評を書かせていただきました。

他にも本の書評をしていますので、そちらもご覧ください。

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