個人開発で付加価値を生み出すための3つのコツ
「個人開発のために役立つ情報を知りたい」
「個人開発で開発に気を向けすぎなので、マーケティングの知識も生かしたい」
このように考えている人に向けて今回の記事を書いています。
この記事を読むことによって、あなたが行っている個人開発のプロダクトに付加価値を付けられるようになります。
個人開発についての書籍は50冊以上読んでいる私が、
「一番大切なのに誰も教えてくれなかった付加価値のつくりかた」で個人開発で使える要点をまとめました。
「付加価値をつけろ!」とよく言われるものですが、個人開発でもこのよにしたら生かせるのではないかとまとめたものですので、ぜひ最後まで読んでみてください。
目次(クリックで読みたい部分にジャンプできます)
3つのコツ
まず、今回紹介する結論、付加価値を生かすための3つのコツをあげておきます。
- 付加価値が生まれるときを知る~置換価値、リスク軽減価値、感動価値~
- なぜサービスを使うのかを知る~ニーズを知る~
- 使われたら本当に役立つのかを追求する
この3つのコツを押さえることで、あなたのサービスに付加価値を生み出すことができるようになります。
では、それぞれについて詳しく見ていきましょう。
付加価値が生まれるときを知る
付加価値が生まれるのは、以下の3つの場合とあります。
- 置換価値
- リスク軽減価値
- 感動価値
これらの付加価値の発生源を知ることで、それらをどのように応用するかを知ることができます。
置換価値=今より便利に、今と同じ感情を味わえる価値
これは、今使っている製品やサービスを他の製品やサービスにおきかえることでより便利にしたい、
しかも今と同じ「喜び、幸福、満足」などの感情を味わいたいというニーズを満たす価値です。
例えば、これまでは固定電話を使っていた状態を、インターネットを活用した電話通信に置き換えることでや
これまでは、メールで行っていたことをチャットやツールなどにかえていくといったケースです。
この場合、ツールの置き換えによって、今より少し便利になり、しかも今現在の感情の状態(喜びや満足)をキープできます。
例:タクシー → ウーバー
リスク軽減価値=つらい感情を感じるリスクを減らせる価値
これは、「リスクを減らしたい」というニーズを満たす価値です。
例えば、私たちのパソコンに入っているセキュリティソフトはこの価値を満たしています。
もし、パソコンがウィルスに感染し、情報漏洩が起きたとします。
そのとき、私たちは「悲観、落胆、絶望」という感情を持つでしょう。
そして「将来またこんなことが起こったとしたら、とんでもない目にあってしまう」と考えます。
それを避けるために、セキュリティソフトを購入して、必ずアップデートするようになるでしょう。
このときセキュリティソフトは、将来、同じようなつらい感情を抱くリスクを減らしてくれる製品として購入されるのです。
感動価値=今より高い位置の感情を味わえる価値
感動価値は、腰がつらくて痛い人が、鍼灸整骨院に通い「痛みが和らいで最高に幸せ」というように、今より高いステージの感情に心が動くこと
=感動に対して感じる価値です。
書籍の中では、この感動価値こそ、3つの付加価値の中で最も重要であると述べられています。
置換価値やリスク軽減価値と異なり、感動価値は「その人がまだ感じたことのない感動」がベースになっています。
そのときに感じるのは未知の価値であり、他の二つの価値よりも高付加価値になるからです。
そのため、付加価値を作るためには、感動価値に対する潜在ニーズを探索していかなければなりません。
このように、付加価値が生まれる瞬間を知ることで、現在あるサービスがどのような付加価値を生み出しているのか、そしてその付加価値はどのようなニーズを満たしているのかを知るきっかけとなります。
次章では、付加価値が満たしているニーズについてご紹介します。
付加価値には、置換価値・リスク軽減価値・感動価値があり、感動価値が最も重要である
なぜサービスを使うのかを知る~ニーズを知る~
サービスに付加価値をつけるためには、まず他のサービス、あなたの考えているサービスの競合サービスが
「どのような潜在ニーズをとらえて企画されているか」
を知ることが必要になります。
例えば、生活者、特に主婦の潜在ニーズをつかんでヒットを重ねてきた商品に、食器用洗剤のボトルがあります。
食器用洗剤のボトルは、一昔前であれば、手で開けなければならないボトルが多かったと思います。
いまでは
プッシュ型や、上から押すと上方に洗剤が出る型も増えてきました。
これは、洗剤を選ぶ基準が「洗浄力」というニーズから「使いやすさ」に変わってきており、そのような潜在化したニーズにこたえているのです。
アプリのメルカリはどうでしょうか?
もともとフリーマーケットという不要になったものを誰かに売るという需要はありました。
しかし、フリーマーケットは毎日やっているわけではないし、売るものをまとめておくため補完するためのスペースがいります。
また、フリーマーケット自体オフラインなので、目的の商品を探すのも大変です。
そこで、メルカリは出品する手間を限りなく少なくしたアプリという形で付加価値を提供することとなりました。
メルカリが出した付加価値とは、物を売りたい買いたいという価値にプラスして、出品の手間、買う手間を限りなく小さくするというものです。
ですが、この手間を具体的な言葉にできた人は多くないはずです。
このような潜在ニーズをとらえたサービスは、身近に多くあります。
自身が出しているサービスの競合だけでなく、その他のサービスがどのようなニーズを満たしているのかを知ることで、サービスの開発に生かすことができるはずです。
潜在ニーズをどう探るか?
潜在ニーズを探るには、「実際にサービスを使う、課題がある環境を体感する」ことで見つけることができます。
書籍の中では、お客様が「もっと現場の生産性を上げたいんだよ」といった場合、「実際に現場を見せてもらっていいですか?」と言って、現場に足を運ぶことを薦めています。
個人開発でも同じです。改善したい状況があるのなら、それをまず自分自身で体感してみることが大事です。
サービスがあるのなら、使ってみることです。
実際に使ってみたことのないこと、体感したことのないことに対して、ニーズは見えては来ません。
どんな製品・サービスでも、ヒット商品を生み出すには、状況を直接体感し、よく観察して潜在ニーズを把握する必要があるのです。
では、ここまでで潜在ニーズを導き出すことができました。しかし、ここで開発に入る前にひと手間加えてみましょう。
それが次章で解説する、ニーズの検証です。
身の回りのサービス、競合のサービスが満たしている潜在ニーズを探る
使われたら本当に役立つのかを追求する
開発前に、お客様のニーズに対して、「このサービス(仮説)が本当に合っているのかを、さらに検証する」ということです。
書籍の中では、
「こんなものを作ったとしたら、買っていただけますか?」
「御社のこの問題を解決するために役立つと思うんですが、いかがでしょうか?」
と自分たちが作ろうとしているものが、本当にユーザーにとって役立つものであるか、ユーザーが困っていることを解決できるのかを、ユーザー自身に改めて直接聞きに行きます。
これは、アプリ開発に置き換えると、
最低限の機能のみのプロトタイプをリリースし、使ってくれたユーザーの声を反映するということです。
企業では、リリースするだけでもリソースを使うので、簡単にはできませんが、個人開発ではあなたのリソース(時間・お金)が許す限り、開発することができます。
個人開発では、この強みを活かし、最低限の機能のみのプロトタイプを早くリリースし、ユーザーの声を聴くようにしましょう。
別の方法として、
身近の人に、「こういうアプリがあったら使う?いくら払う?」といったことを聞くのも有効でしょう。
また、アンケートなども有効です。クラウドワークスなどでアンケートは1000円ほどで募集することができます。
そこで、このようなアプリがあったらどうか?と聞いてみるのも有効だと思います。
まとめ
今回は、「付加価値のつくりかた」という書籍をもとに、個人開発でどのように付加価値を出すかということに絞り解説いたしました。
以下の記事では、個人開発で陥る罠についても紹介しています。ぜひ併せてご覧ください。